「餓狼、荒野に死す」断片-20 凶弾(その5)をカクヨムにアップしました

被告が撃とうとしたので、ジョージが撃ち返した。

しかも、被告は事前に拳銃を用意していた。

すなわち、殺す気でチャペルにやってきた。

土本探偵が止められなければ、すでに倒れて拳銃を手放していたジョージにとどめの一撃を撃ったはずだ。

よって、被告の正当防衛は成立しない。

これが検事の論点だった。

これに対して、

『殺す殺す気でジョージの心臓を狙ったが、香蘭と暮らすようになって射撃の練習をしていなかったので、腕が鈍っていたのが残念だ』

とみずから証言した。

弾丸が右肩の骨を砕いたので、ジョージの右腕は使いものにならなくなった。

それがどうした!

どうせ死刑になる身ではないか。