「真夏の雪だるまー寛政捕物夜話・19ー」第二夜

真夏の雪景色が片付けられた日の午後。
京町二丁目の栄屋の振袖新造の吉乃の行方が分からなくなった。
八ツ(午前二時)の大引けの拍子木とともに階下に降り、時札を掛け替えてから大部屋のじぶんの寝床に入ったところまでは確認できている。
女郎が起き出すのは、四ツ(午前十時)ごろだ。
それから入浴、朝食、身支度をして九ツ(正午)からの昼見世にそなえる。
だが、吉乃の姿が見当たらないので、ちょっとした騒ぎになった。
楼の内の布団部屋や湯殿や物置、すぐ近くの九郎助稲荷や羅生門河岸辺りも見て回ったが、見つからない。
さらわれたか失踪したと見た楼主は、四郎兵衛会所に届け出た。
【「真夏の雪だるまー寛政捕物夜話・19ー」第二夜から抜粋】
第二夜をカクヨムにアップしました。
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