「餓狼、荒野に死す」断片-21煉獄をカクヨムにアップしました。

06:45 起床
07:05 朝食
08:00 刑務作業開始
12:00 昼食
16:40 刑務作業終了
17:00 夕食
21:00 就寝
こんな刑務所でのルーティンは、まったく苦にならなかった。
週二回入浴ができ、毎日30分の運動の時間もあり、食事もまずくはなかったし、夕食後は消灯までが自由時間だった。
自由時間とはいっても、独房の中で横になったり、読書や日記や手紙を書いたりできるだけの、駕籠の中の鳥の自由時間でしかない。
独房や刑務所の外へ勝手に出入りできるわけではない。
刑務所でいちばんつらいのは、自由がないということだ。
自由を奪うのが、懲罰の目的だら、それは当たり前だ。
だが、自由がないというのは、ほんとうにつらい。
「餓狼、荒野に死す」断片-21 煉獄 から抜粋。
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「餓狼、荒野に死す」断片-20 凶弾(その5)をカクヨムにアップしました

被告が撃とうとしたので、ジョージが撃ち返した。

しかも、被告は事前に拳銃を用意していた。

すなわち、殺す気でチャペルにやってきた。

土本探偵が止められなければ、すでに倒れて拳銃を手放していたジョージにとどめの一撃を撃ったはずだ。

よって、被告の正当防衛は成立しない。

これが検事の論点だった。

これに対して、

『殺す殺す気でジョージの心臓を狙ったが、香蘭と暮らすようになって射撃の練習をしていなかったので、腕が鈍っていたのが残念だ』

とみずから証言した。

弾丸が右肩の骨を砕いたので、ジョージの右腕は使いものにならなくなった。

それがどうした!

どうせ死刑になる身ではないか。

「餓狼、荒野に死す」断片₋20 凶弾(その4)をカクヨムにアップしました。

アヴェ・マリア
聖処女よ
乙女の願いを
叶えたまえ
たとえ荒野の果てで
絶望の淵に沈もうとも
汝は救いたもう
追われ
除け者にされ
責められようとも
せめて夜明けまで
汝が胸で憩わしめたまえ
ご照覧あれ
乙女の悲しみを
ああ
慈悲深き聖母よ
汝が子の願いを
叶えたまえ
アヴェ・マリア
後光が輝く木の十字架の下に整列した聖歌隊が、パイプオルガンの伴奏で讃美歌を歌いあげると、広々とした聖堂は一瞬にして荘厳なものに変わった。
千佳子をエスコートして、ヴァージンロードをゆったりと歩む・・・。
時が静止し、過去に巻きもどされた時空がすべての罪を洗い流すような気がした。
・・・荒野に隠れ住む餓狼の罪も、清められるのだろうか?
そんな思いは、ほんの一瞬のうちに煙のように消え去った。
「餓狼、荒野に死す」断片₋20 凶弾(その4)をカクヨムにアップしました。
いよいよ真相が明らかになる物語の最終幕での、ジョージとの銃の対決が今夜のハイライトです。
お楽しみください。
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