「6月の花嫁は二度死ぬ~快楽の報酬~119.ジューン・ブライド(3)」をカクヨムにアップしました

「このノートPCのメールのやりとりを見て分かった。去年の10月9日のシカゴ行きの出発をわざと翌日にずらしたね。その夜はどこのホテルに泊まった?葛城社長もいっしょか?」
「・・・・・」
「10日の朝、麻布十番のマンションに行くと、フェルナンドが浴槽で手首を切って死んでいた。ベッドルームにはウエディングドレスとシャンペンのボトルが転がっていた。・・・君と結婚できると喜んだ哀れなフェルナンドは、自殺を装って殺された」
「・・・・・」
「9日の夜はシカゴ行きの便に乗らなかったので、君はマンションにもどる十分な時間があった」
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「6月花嫁は二度死ぬ~快楽の報酬~118.ジューン・ブライド(2)をカクヨムにアップしました

大門跡の横の交番の先の角に、俗悪な円錐形の塔のようなジューン・ブライドという名のソープランドはあった。
日はとっくに暮れ、黒い雲が流れる藍色の空を背景に、尖塔の朱赤のネオンの風車が禍々しく輝いていた。
やはり赤いネオンの店名の看板の下をくぐって玄関に入ると、ロココ調に統一された待合室にすぐに案内された。
大理石風のテーブルの上には、煙草がぎっしり詰まった金色のシガレットケースとチョコレートボンボンの入った大きなブランディーグラスが置かれていた。
「ジュリアがご案内いたします」
片膝突いて頭を下げた黒服の先導で吹き抜けになったエレベータホールに入ると、白い壁一面に立体造形されたチャペルに圧倒された。
そのチャペルの前で、純白のウエディングドレス姿の紗耶香が、恭しく頭を下げた。
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「6月の花嫁は二度死ぬ~快楽の報酬~116.逃避行(22)」をカクヨムにアップしました

「で、どんな提案があるの?」
刺されたとか入院とかには何の興味もない専務は、話を前にすすめるよう促した。
「結婚を思いとどまらせることはできないと思います。・・・葛城さんとわたしで麻薬の密輸入犯罪に手を染めて、ヤクザを騙して悪銭を得たと麻衣子夫人に伝えてください。すでにコカインの摂取と不法所持で執行猶予中の葛城さんはこの犯罪が露見すれば収監されます。株の譲渡とか社長への登用などできるものではありません」
「なるほど。Sammy Albertoの名前を出してもいいかもしれないね」
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